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  • 2021.06.02

転売屋と輸出消費税免税制度

百貨店で洋服や貴金属など計約1億4千万円相当を免税購入した中国人男性に対し、大阪国税局が電子記録を基に免税が認められない転売目的と判断し、消費税約1,400万円の徴収を決めたとの報道が令和3(2021)年6月1日付日本経済新聞に報道されました。
令和2(2020)年4月から開始された免税記録の電子化データを活用した国税調査は初めてであるとの報道でした。

現行の日本の消費税は、日本国内で物を購入する際には外国人であっても通常、消費税10%が課税されますが、日本国内で物を購入しても出国後に消費する場合には、日本国内で消費しないため一定の手続きのもとで消費税10%が免除されることとなります。

この輸出免税制度を不正に利用すると、転売屋を業としている外国人は、他の業者に比べ消費税10%分仕入価格が安くなって有利な価格設定で市場に販売できるため、同業者より価格優位性を持つことになります。

この方法で、外国人の転売屋チームは、ここ数年、爆買いにより転売市場をリードしてきていたのが実情でしょう。転売市場(国内転売市場含む)をリードした価格優位性の源泉が、日本国民全員が負担している消費税を原資としていることから、今回の大阪局の調査は大きな意味があります。特に消費税はこの国の税収の根幹をなしているので、税の公共性を担保するためにも、こういった税務当局の取り組みは積極的に応援したいところです。

今後の課題として、課税しても徴収ができないケースが多発することが予想されることから、外国人に逃げ得を許さないようにするために、課税と徴収をセットにした国税局及び関税局の一体となる対応が必要となってきます。
従来は購入者が免税店で受け取った書類を出国時に日本の税関に提出する必要がありましたが、電子化以降は、免税店から客のパスポート情報と購入記録が国税庁に送信され、税関と共有されるようになりました。令和3(2021)年10月以降、全ての免税店で義務化されることとなります。