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  • 2021.04.07

消費税専門官の新設

令和3年度から消費税の不正還付に特化した消費税専門官が全国の主要税務署に新設される。

 

消費税の不正還付事案があとを絶たず、今後も金地金の輸出免税制度を使った不正案件が増加することが懸念されていることに対応したものだ。

 

消費税の還付申告は、金などの値下がりしない課税資産の譲渡を利用した金地金スキームのほかにも、過去には自販機スキーム、アパート建築の税額控除などさまざま還付スキームが行われており、その業界に一定の経済効果をもたらした後に制度改正が行われ、不適切な消費税還付が行われないように手当されてるという経緯がある。

 

1-2年前までは金地金スキームによる消費税の還付申告をビジネスのネタとして大々的な広告宣伝を行って、消費税の還付金額の数十パーセントの手数料を稼いでいた税理士も多くいた。税理士事務所にとっては数億円単位の売上を簡単に稼げるビジネスであるが、そのビジネスの原資は税金であることの意味を理解できていれば、税理士としての職業倫理上、税理士が行っていいビジネスではない。

税理士資格を国家に返上して、ただのコンサルティングとして行うのであって税理士法に違反しない業務範囲で行うのは自由だが、国家資格を利用して国家に損害を与えるビジネスをネットで大々的に行って億円単位で荒稼ぎする税理士がいるということが同業者として残念だ。

 

今後も新たな消費税の還付スキームが誕生し、その都度制度改正で手当されていく流れは変わらないだろう。

 

令和5年10月に予定されているインボイス制度では、原資証憑ベースで仮払消費税が認識されることから原資証憑を不正する事案も出てくるだろう。そういった不正案件には厳正な調査で対応していただき、課税の公平性を担保していくための体制強化が必要だ。

税金を原資とした還付金スキームでビジネスを行っている税理士への監視の強化も期待したい。

 

国税庁の担当領域ではないが、コロナの持続化給付金の不正受給に関しても、経済産業省の調査能力では不正受給者を網羅的に特定できるかどうか怪しい。

こういった調査能力は国税庁が経験、ノウハウを有しているのであるから国税庁が不正受給の調査を行うことができる体制にしなければ、不正受給したもの勝ちの不公正な給付金として歴史に名を残すことになってしまう。

 

消費税も持続化給付金も税金であり、国民から徴収した財産である以上、その徴収・運用には公正さが求められることは国家運営の基本中の基本である。財務省、経済産業省の縦割り行政の垣根を越えて国税庁に不正受給の調査権限を与えてはどうかと思う。