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  • 2019.06.06

CoCo壱番屋創業者の資産管理会社約20億円申告漏れ 2019/6/6

名古屋国税局が、カレーチェーンCoCo壱番屋(ココイチ)の創業者の資産管理会社の税務調査を行い、イタリア製バイオリン「ストラディバリウス」の減価償却費の損金算入額を否認し、法人税約20億円の申告漏れを指摘したとの報道がありました。

 

まず、ココイチの創業者については、節税などするタイプではなく、人格者だとされています。私はお会いしたことはないですが、著書を拝見すると、尊敬できる方のように思います。
今回のケースは、そのほかにも役員貸付金の債務免除により株価が上昇したことに対するみなし贈与課税も7億円もあったとのことですので、やはりこれは税理士側のミスなのだと思います。
役員貸付金の債務免除などは、我々税理士が専門家として、法人税、所得税、贈与税、相続税の各視点から検討し、助言しなければならない典型的な項目です。
この点をミスしてしまうとは、自戒の念を込めて、税理士としてはあってはならないのだと思います。

 

では、本当に「ストラディバリウス」の減価償却費は損金算入できないのかどうかを改めて考える必要があります。
今回の資産管財会社が保有する(賃貸する)場合は、美術品等の通達どおり損金性が否認されることに対して反論はありません。
しかし、たとえば、音楽家が「ストラディバリウス」を購入し、音楽活動に使用した場合、その減価償却費は費用として認められないのでしょうか。
事業の用に供しているか否かでいえば、音楽家の事業の用に供しているわけです。
ただし、時の経過により価値が減少するかどうかを実務家が判断しなければならないわけです。
そして、美術品の減価償却が認められないのは、法人税法基本通達7-1-1において、

 

時の経過によりその価値の減少しない下記の資産は減価償却資産に該当しないこととされているためです。
1.古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
2.以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの

 

よって、音楽家の「ストラディバリウス」も通達どおりに判断すると減価償却資産に該当しないので、損金性は否認されます。
しかし、楽器のように使用することが目的の場合には、美術的価値があっても「時の経過により価値の減少しない」部分のみを美術品として取り扱い、「時の経過により価値が減少する」部分として配賦計算された金額については、通常の楽器のように減価償却を認めることに妥当性があるように思います。
訴訟で争わななければ、この見解は認められないので、実際の税務調査では主張しませんが、楽器とし使用する以上、「時の経過により価値が減少する」ことを立証できればその部分の費用計上は認めらると思います。

 

税務調査でご質問等ある方は、お気軽に御茶ノ水(神田小川町)の大向税務会計事務所までお問い合わせください。