税務ニュースBLOG

  • 2022.12.14
  • 法人の税金
  • 税制改正

政治資金と税金

政治資金規正法では、政治団体は政治資金パーティーなどの収入を政治資金収支報告書に記載することが定められています。
不記載や虚偽記載の場合、5年以下の禁固か100万円以下の罰金です。

 

ところが、政治家が政治資金収支報告書をしっかりと記帳しているというイメージをもっている国民は少ないと思います。
なぜ政治資金の収支報告がきちんとできないのかということを、税務の観点から考えます。

 

政党は特別法で規定されており法人格を有しますが、それ以外の政治団体は法人格を有しない「人格なき社団」となります。PTAや商店街の組合と同じ扱いです。
そういった「人格なき社団」に対しては、収益事業以外の所得には法人税は課されないこととなっています。
パーティ券収入や寄付金収入は収益事業に該当しないため法人税は課税されません。

 

消費税についても購読料など対価を得て機関誌など発行する場合以外は、原則として課税されません。

 

ただし、「政治団体がその収入を政治活動以外のために消費するような場合」には、その団体の活動目的と相違し政治団体非課税の趣旨から逸脱しているため、ただの名義団体として実質的に利益を享受した者が課税対象となります。

 

また、「政治団体が得た収入をその構成員に配分する場合」にはその受益者が課税されることとなります。

 

こういった税制が背景にあるため、政治資金収支報告書の不記載や虚偽記載が起こるのです。
「政治活動のための消費かどうか」、というグレーな判断を政治家自身に判断させるような制度では無理でしょう。
個人事業者の「事業費」「家事費」の判断も納税者自身の判断が難しいので、税理士が客観的に判断しているのが実務です。

 

一般の法人であれば、毎年税務申告を行い税務署のデーターベースに登録されることになりますが、政治資金団体のように「人格のない社団」で税務上の申告の必要がないケースでは、チェック機能が働きません。

 

以上、税務的な視点から考えてみましたが、根本的な原因は、金のかかる選挙のあり方ですので、それが今後変わることに期待します。

 

確定申告等のご相談がある方は、御茶ノ水の大向税務会計事務所までお問い合わせください。

 

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