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2020年度漁業融資 日本政策金融公庫農林水産事業

日本政策金融公庫農林水産事業は2020年度の融資実績を発表した。

 

農林水産業全体としては、前年度比45.9%増の7,058億円の融資実績となった。そのうち、コロナ関連融資が4,132億円となっているので、その分が前年度実績に上乗せされた形だ。漁業分野だけでみると、対前年度4.3倍となる1,010億円となっている。

 

2020年度末の農林水産事業に対する公庫融資残高は3兆4,854億円となっており、内訳は次のとおりとなっている。

農業  2兆2,231億円

林業      6,154億円

加工流通   4,496億円

漁業             1,971億円

 

漁業従事者は15万人であり、と農業従事者136万人の約1/10となっており(2020年度時点)、一人当たりの融資残高をみてみると、漁業一人当たり131.4万円の融資残高、農業では、163.4万円となる。漁業に係るコストと農業に係るコストを比較すると漁船、漁網など事業に係るコストは圧倒的に漁業が高いが、融資残高が低いのは、水揚高に経営が左右される不安定さによるものと、政治的な力(票数)が農業に及ばないためであろう。将来的には、漁業分野への融資又は投資により経営を集約化することで、漁業が日本の成長産業となれる可能性がある。

 

 

 

 

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