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豚肉の差額関税制度と脱税 2015/2/27

群馬県の豚肉輸入業者が11億円以上を脱税したとの報道が平成27(2015)年227日付でありました。
豚肉の差額関税を利用した脱税はこれまでも定期的に摘発されており、典型的な案件です。

 

しかし、通常の脱税案件と大きく異なる点があります。
それは、今回の報道をみても分かるように金額が多額になることです。
これは、通常の脱税案件とは異なり、利益部分を申告漏れしているのではなく、輸入価格そのものを操作していることで生じるからです。
輸入業者が豚肉キロ当たりの単価を少し変えるだけで関税の額が大きく変わることとなります。

 

 

移転価格税制とも共通する部分があるのですが、取引価格(輸入価格、輸出価格)の決定が大きく税金に影響を与えることとなります。
移転価格の場合ですと、取引の相手方も関連者ということで、価格操作が容易に行われるということで、それによる租税回避を防止しているのですが、差額関税制度での脱税スキームだと、必ず輸入相手国側に協力者があり、その協力者と価格について打合せを行い、関税の摘発を逃れる目的で取引価格を決定します。
その結果、本来もっと安い価格の輸入豚を関税が安くなる基準価格程度の高い価格で輸入することとなりますので、相手国側の輸出業者に差額の利益がたまります。
その相手国側の協力者の利益(お金)を日本側の輸入業者が自らのお金とした時点で脱税は成立します。
逆に言えば、相手国側の業者の利益(お金)のままであればそこは第三者間の正当取引となります。

 

 

ということは、この豚肉の差額関税制度というのは、日本の税収確保の観点からしても、国内の豚肉生産業者の観点からしても、意味不明な制度のように思います。
税収も確保できず、国内の生産業者も守れないザル法がなぜまだ残っているのか・・・。
どの政治家、又は役人がどのような利権をもっているがゆえに残っているのでしょうか、今度の選挙の際の意思決定の材料のひとつにしようと思います。

 

 

税金のことで疑問・質問等ございましたら、お気軽に池袋の大向税務会計事務所までご連絡ください

 

 

 

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