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家督相続と遺産相続

最近、相続対策、公正証書遺言の作成のお手伝いなどの仕事が多くなってきているので、家督相続と遺産相続について考えてみました。

 

昔、明治の時代に制定された旧民法では、「家督相続」という概念が取り入れられていました。親の生死に関係なく、長兄が先代の遺産を全て相続し、配偶者やその他の子には相続権がありませんでした。家督を息子に譲ってご隠居さまになる、という世界観ですね。その後、米国との戦争で敗北したあと、昭和22(1947)年に制定された民法によって、現在の配偶者に1/2、すべての子に1/2、という法定相続分が決められました。相続でよく争いになる原因の一つが、相続に対する日本人の世代ごとの歴史認識の違いによるものが多いように思います。
現在80-90歳の世代の日本人には根強く家督相続の概念で生きてきた人が多いかと思います。その歴史観を理解しないで、現在の法律は、平等に遺産相続となっていることのみを主張すると相続の本質から外れることがあるので注意が必要です。あくまで法律は法律であり、相続の問題は家族の問題であるべきなのです。その立ち位置を忘れて法定相続分を主張しすぎて、家族の縁を失うケースがあまりに多いように思います。
そもそも、現在の「子」は親の財産を消費することはあっても、財産形成に貢献しておらず、相続権などなくても良いという意見もあります。そのくらいの気持ちがあれば、相続人間での醜い争いは避けられるでしょう。

 

相続対策、公正証書遺言のご相談は、御茶ノ水(神田小川町)の大向税務会計事務所までお気軽にどうぞ

 

 

 

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