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税務調査で帳簿書類の提示を拒否した場合

税務調査では、通常調査期間中の帳簿書類を税務調査官に提示することで調査は進行します。
しかしながら、無予告の調査等の理由で調査官と納税者との間でトラブルがあった場合や、調査日程が合わないとの理由で調査日時を延々と先延ばしているような場合には、次のような事態が生じます。

 

① 青色申告の承認取消処分

② 青色申告の承認取消による繰越欠損金の否認

③ 消費税の仕入税額控除の否認

④ 上記②③に対する過少申告加算税賦課決定処分

⑤ ケースによっては推計課税

 

 

平成25年11月12日東京地裁判決では、調査に非協力的な態度で臨んだ結果、青色申告の承認取消処分とそれに伴う更正を受けたことは違法として争ったものですが、東京地裁では、納税者の主張を斥けています。(納税者は控訴中)
税務調査で帳簿書類の提示を拒否した場合、調査官が有する質問検査権は納税者の承諾がなければ行使できないため、税務調査官はそれ以上の強制的な捜査を行うことはできません。
一方で、納税者も調査自体を拒否することが認められているわけではありません。
本判決では、税務調査において帳簿書類の提示を求められ、これに応じがたいとする理由も格別なかったにもかかわらず、帳簿書類の提示を拒み続けてきたものいうことができるため、当該調査は違法ではなかったとしています。
今回のケースでは、偽りその他の不正行為がなかったため、強制調査には切り替わらなかったようですが、不正行為があった場合には帳簿書類の提示の拒否など非協力的な対応により、査察の強制調査に切り替わる可能性もありますので、適正な調査対応が重要です。

 

税務調査に入られ強気に出たのが裏目に出てしまった方、ご質問・ご相談のある方は、査察調査・税務調査対応を得意とする池袋の大向税務会計事務所へご連絡ください。

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