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東京都直営卸売市場が消費税1億円申告漏れ

東京都の直営の食肉市場が東京国税局の税務調査を受け、消費税1億6000万円(課税期間3年)の申告漏れを指摘されたと報道された。

 

都債の返済費として元本及び利子を22億円(平成28年度~30年度)を充当したのだが、このうち元本の返済分を課税仕入れとして計上していたとのことであり、東京国税局は、都債の返済は消費税の課税仕入れに該当しないとして指摘した。

 

これに対し東京都の中央卸売市場財務課は「国税当局の手引きなどの基づき、課税仕入れとなると認識して税務処理したが誤っていた。指摘に従って昨年5月に修正申告し、納税を済ませた。現在は認識を改め、適正に納付している」とコメントした(6/15付産経新聞)。

 

税務の専門家でない方にとっても当然のことだと思うが、借りたお金の返済には消費税が課税されない。それを誤って消費税の課税仕入れとして申告していたとのことなので、明らかに税理士事務所側の申告書作成上のチェックミスである。

 

税理士事務所を運営する立場としては、どうしてこんな分かりやすいミスを見逃してしまったのかと思えるくらいのミスであり、通常であれば、東京都から税理士への損害賠償は免れないであろう。

 

しかも過少申告による加算税、延滞税は税理士損害賠償保険の免責事項なので、この金額のミスを起こしてしまった税理士事務所側のダメージは大きい。

 

当事務所でも、気を引き締め、チェック漏れのないような申告書作成オペレーションを日々改善していくとともに、ミスがあった場合でも自主的に申告誤りに気づき、自主修正できる体制を構築していくこととする。税理士事務所はこの顧客に対する損害賠償リスクを常に抱えていること認識して経営しなければならない他の士業よりリスクのあるビジネスである。

 

 

 

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