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相続した資産の譲渡

お客様から、相続した資産の譲渡についてご相談を受けました(一部改変)。

 

「父が株式・不動産を遺して1月に亡くなりました。遺言はなく、協議の上、兄弟3人で相続してすべて売却し、売却代金は兄弟3人で分け、相続税の納税資金の一部としました。相続税の申告書は期限内に提出済です。

次に検討すべき事項はなんでしょうか。」

 

次に検討すべきは、自分(相続人)の所得税の申告です。

 

遺言がない場合、お父さんが1月に亡くなった時点で、相続人である兄弟全員が共同で株式・不動産を相続し、それを売却したと考えます。

相続人である兄弟は、相続のあった年の翌年315日までにそれぞれ所得税(譲渡)の申告をする必要があります。

 

遺言がない場合、相続人全員で遺産の分割協議を行い、財産の所有者を決定します。

分割協議が申告期限までにまとまらない場合、未分割として相続税申告書を提出します。

後日、分割が確定したときに、相続税の修正申告、更正の請求が可能となります(相続税法55条)。 

 

勘違いされている方が非常に多いのですが、相続税の申告と所得税の申告はまったく別です。

今回のケースの場合、相続税の納税をして安心したのもつかの間、相続税を納税した翌年は、

譲渡所得の約15%の所得税、約5%の住民税の納税があります。

 

国民健康保険加入者、年金を受給している方などは、翌年の保険料の金額も増加します。

相続税の申告書を提出しても、相続人に対して税務署から確定申告をしてくださいという連絡はありません。

(税務署は納税者が有利になるようなことは教えてくれません。)

税金の優遇制度は、期限内申告が要件となっているものが多いので、期限後に申告した場合、納税額が増加する可能性があります。 

 

相続対策、相続税申告、確定申告などについてのご相談は、御茶ノ水の大向(おおむかい)税務会計事務所へご相談ください。

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