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請求書・領収書の保存義務-つくばエクスプレス 領収書を1年で廃棄

平成28(2016)年12月2日の産経新聞に、 「つくばエクスプレス 領収書を1年で廃棄 国税当局が法人税法違反で指導」という信じがたい記事が記載されました。
税務の観点からは、記事にもあるとおり、請求書、領収書の保存期間は7年となって います。
これは、税務調査の除斥期間が7年であることに関係しています。
たとえば、税務調査が入って、請求書・領収書の保存を行っていない場合、まず青色申告が取り消されます。
次に、原始帳簿である請求書・領収書がないため、記帳の正確さが確認できないため、場合によっては推計課税が行われることとなります。
また、消費税の課税仕入れ額を控除する要件として請求書・領収書の保存義務がある ので、請求書・領収書の保存がない場合には、7年間、8%の課税仕入れに係る消費税が否認されることとなりますので、青色申告の取り消しよりも、金銭的なダメージが大きくなります。
ペナルティですが、請求書・領収書の保存を行わない行為が仮装・隠ぺいに該当すれば、重加算税の対象となり、35%増しで税金を支払うこととなります。
会社法の観点からは、10年間の帳簿保存要件があるはずですので、これは会社法違反をしており、役員は株主から株主代表訴訟を提起される可能性があります。
運営会社は第三セクターということですので、日々、民間会社であるクライアントに帳簿等の保存を指導している税理士の立場としても非常に腹立たしいし、天下りが退職金をもらう受け皿になっていることも考えると、納税者の立場としても腹立たしく 思います。
損害が発生している場合には、役員の方々に損害賠償責任を取っていただくのが筋だと思いますが、今後の展開に注目したいと思います。

税務調査でお困りの方、ご質問のある方は、お気軽に御茶ノ水の大向税務会計事務所までお問い合わせください。

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