税務ニュースBLOG

令和7年度査察の概要 2026/6/25

令和8(2026)年6月25日、国税庁のホームページで令和7年度の査察の概要が公表されました。

着手・処理・告発件数、告発率の状況

 

脱税額の状況

令和7年度(令和7年4月1日~令和8年3月31日)に処理された査察事案に係る脱税額は総額111億円、そのうち告発分は84億円でした。

告発された事案1件あたりの脱税額は、1億200万円(東京国税局管轄分は1億400万円)。

 

告発の多かった業種

 

事案

◆美容系インフルエンサーの活動を通じて広告代理を行う会社が、不正加担者を利用し、取引事実のない可及の業務委託費を計上し、約4億9,600万円の所得を隠し、法人税及び消費税(約1億5,700万円)を免れていた。
(2026年5月14日、検察側は法人に罰金5,000万円、代表者に懲役2年6月を求刑。2026年7月15日判決予定。)

◆SNS等を利用して、主に海外顧客に対してイラストを販売していた事業者が、海外イベントでの販売収入の一部を収入から除外し、所得税法を免れていた。

◆幼児・小学生向けの野球及び作家スクールを全国展開するスポーツ教室の運営会社が、国からの給付金等に係る雑収入を申告から除外するほか、取引実態のない架空の施設利用料を計上し、法人税を免れていた。

◆農業用ため池に設置した太陽光発電設備を販売する会社が、売電権利の譲渡収入を申告から除外して法人税を免れたほか、関連して同会社の代表者個人に帰属する事業収入を得ていたにもかかわらず、所得税の確定申告書を提出しないまま法定納期限を徒過させ、代表者の所得税を免れていた。

脱税は犯罪

査察調査は、通常の税務調査とは異なり、悪質な脱税者に対して入り、懲役刑等の刑罰を科すことを目的に調査が進められます。

脱税は、犯罪です。

上記からわかるとおり、東京国税局管内では、1週間に1件以上の割合で査察調査が行われ、査察が入ると(東京地検特捜部へ)立件される確率は約60~70%です。立件されると100%有罪となります。

令和7年度は、一審判決80件すべてに有罪判決が言い渡され(有罪率100%)、6人に対して実刑判決でした。

実刑判決のうち、実刑判決のうち、査察事件単独で最も重いものは、複数の納税者に脱税スキームを利用させていた脱税指南グループの首謀者に対する懲役6年の判決でした。他の犯罪と併合されたもので最も重いものは懲役4年でした。

法人税163条①では、脱税を行った場合、その行為者を罰するほか、その法人に対しても罰金刑を科するとなっています。

脱税の場合、法人税のみならず、所得税等においてもこのような両罰規定と呼ばれる形式で、法人とその行為を行った者の双方を罰することとしています。

 

 

ご質問・ご相談のある方は、査察調査対応の税理士大向(おおむかい)税務会計事務所までお問い合わせください。

税務ニュース一覧